日韓同性カップルが、海外に移住したワケ②

オランダ移住
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前回の記事では、どうしてオンニと東京で順風満帆に暮らしてたのに、海外移住しようと思ったのかまでを書きました。

今回は、海外移住を意識し始めてから、具体的にどのように行動したのかをまとめていきます。

選択肢は二つ、カナダかオランダか

オンニと二人で一つとして扱ってもらいたかった私は、以下の条件をもとに移住先を探していました。

①同性でも国籍が違っても、パートナービザが下りること
②その国からしたら二人とも外国籍で同性同士だとしても、将来的に結婚できること

そんな条件を満たしてくれる国を探して調べて出てきたのがカナダオランダでした。

どちらの国も2000年代初期、いまから20年も前から同性婚を導入している国でした。

カナダは英語圏だからか情報もすごく多くて、実際カナダで同性婚した日本人の情報もたくさん出てきました。

在留日本人・韓国人も多くバンクーバーなどの都市では食事も生活も情報も困らなさそうだと思い、心はほとんどカナダに傾いていました。

カナダに行こうと決断するも・・

移住先をカナダにしよう、と決めて費用や時間をシミュレーションしてみました。

そうしたらカナダで永住権を取るには、学生ビザで入国し、2年勉強して卒業したら2年間の就労ビザが出る、その後永住権を申請、というのが一番確実とのことでした。

「また大学に入り直すのか…」というのが正直な感想。
お仕事大好きな私は、キャリアを中断するのに少し抵抗がありました。

でも私が大学に入学して学生ビザを取ると、オンニもパートナービザが下りるとのことだったので、これはもうやるっきゃないと思いました。

ですが気持ちはそう決意できても、具体的な大学の費用を考えると、とても果てしない額でした。笑
しかも私が学生で、英語がわからないオンニがパートナービザで滞在するとなると、どうやって生活していくのかという問題もありました。

とにかく貯金だ、と思いながら日々カナダに向けて準備を進めるなか、並行して他の国のことも調べてて出てきたのがオランダでした。

一番現実的に移住できそうだったオランダ

調べていると、オランダは昔締結された日蘭条約により、日本国籍だと個人事業主ビザの取得条件が優遇され、比較的容易にビザが取れるとのことでした。

個人事業主=フリーランスなので、仕事を続けながらオランダに滞在できる!と思った私。

これからキャリアを中断することもなく、お金を稼ぎながら滞在できるので、カナダに比べて必要な貯金額もぐっと減るため、これは早いうちに移住することができるかも、と思いました。

そして個人事業主ビザの配偶者やパートナーも、パートナービザが下りるとのことだったのです。
日本で結婚ができずお互い「配偶者」になれない私たちにとって、未婚のパートナーでもパートナービザが下りるというのはとても重要なことでした。オランダはその条件を満たしてくれていました。

そして実はこの頃、更新できるか不安だったオンニの日本の滞在ビザも無事更新され、あと5年は日本に滞在できることになりました。
私の中では、次のビザ更新までに日本から出ることが目標でした。

その意味でオランダは、時間的にも費用的にも、5年の間に達成できそうとなり、移住先をオランダにすることに決めました。

予定よりずいぶん早くに決行したオランダ移住

オランダに移住することを決めてからは、5年後くらいに出発かなと思っていたのですが、準備が整いたったの2年でもうオランダに来ることになりました。

今はまだ来たばかりで、これからオランダのビザ申請という段階です。(この個人事業主ビザは少し不思議なのですが、入国してからしか取得ができないビザなんです)

もちろんオランダのビザが無事降りるまでまだ気は抜けませんが、今までの段階で既にオランダに感謝していることがいくつかあって、また別の記事で具体的に書けたらと思いますが…

①入国審査を二人一緒に、お互いパートナーとして扱って審査してくれた
②個人事業主ビザのパートナービザに関して、私たちのケースでも受け付けてもらえるのか心配していたのですが、移民局からパートナーとして申請OKと言われたこと

既に日本じゃありえなかった、二人を一つとして扱ってもらうということが実現しています。

日本にいる家族に対して申し訳ない気持ちも

オランダ移住に関して全体的には前向きな気持ちですが、ネガティブな感情もあります。

それは日本にいる家族に対して、遠く離れた場所に来て申し訳ないという気持ち

会社の人や友達は私たちの移住に対して、たくさんの励ましと応援の言葉をくれました。会社に関しては、フリーランスになることに対して全面的に支えてもらったと思います。

ですが自分たちの家族に関しては、やはりすぐ応援という言葉はもらえませんでした。
そりゃ家族からしたら寂しいし、とにかく心配ですよね。

自分の家族に対しても、寂しい思いをさせて申し訳ない気持ちでいっぱいだし、オンニの家族に対しても、オンニを日本や韓国にいる家族から離してしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。私と出会わなければ、オンニは今頃も日本にいたかもしれないのに、という思いもあります。

この気持ちはいつもずっと心の片隅にあり、今後も無くならない感情だと思います。

それでも自分たちの将来のために行動した

正直東京での暮らしが大好きだった私は、オランダに来た当初、ホームシックから「東京に戻りたい」「東京にいたら、オンニの家族もわたしの家族も悲しむことないのに」「なんでこんなことしちゃったんだろう」と思って泣くことがありました。

自分で決めてオランダに来たはずなのに、なんだかとても正しくないようなことのような気がしたんです。

ですがホームシックが終わり、気持ちが落ち着いて、改めてどうしてこんな大変な思いしてまでオランダに来たかを考え、こうやって記事にしてみると、やはり私はオンニと安心して暮らしていくためにオランダまで来たんだと再認識しました。
二人を家族として扱ってもらうことがとても重要で、ここはそれを実現してくれる場所でもあります。

来てまだ一週間ちょっとで既に私たちを自然にカップルとして扱ってくれる場面にたくさん出会い、オランダに来てよかったと心から思っています。

色んな思いがありますが、今はオランダに来てよかった、オランダで頑張る!という気持ちが強いです。これからもここで精一杯頑張る様子をこれからも綴っていくのでどうぞよろしくお願いいたします。

以上、私たちがオランダに移住した理由でした。